Record 03
Vanished / 消滅消えた出会いの装置
伝言ダイヤル
Recorded Message Dial
1980年代から1990年代
利用者が音声メッセージを録音し、他の利用者がそれを聞いて応答する、電話回線上の非同期型コミュニケーション。
Primary observation / 主要観測
伝言ダイヤルは、声をプロフィールとして使った。
- インターフェースInterface
- 固定電話
- 音声ガイダンス
- 録音メッセージ
- 暗証番号
- 電話番号
- 参加条件Entry condition
- 電話をかけ、音声を録音するか、他者の録音を聞くこと。
- 時間構造Time structure
- 音声は録音され、別の時間に聞かれる。電話でありながら非同期。
- 地理的構造Geographic structure
- 電話回線によって、生活圏外の相手とも接続できる。
- 身元構造Identity structure
- 声、話し方、自己申告された年齢や属性のみ。
- 約束したことWhat it promised
- 自分の声を残し、誰かからの応答を待てること。
- 実際に売っていたことWhat it actually sold
- 姿を見せずに、自分の存在を声として空間に残す権利。
- 可視化されていた人Who was visible
- 電話を使い、自分の声を録音できる人。
- 不可視のままだった人Who remained invisible
- 外見、本名、住所、日常生活、録音時以外の人格。
- 偶然の生成How chance was produced
- 録音メッセージを順番またはカテゴリから聞くこと。
- 信頼の生成How trust was produced
- 声の印象、話し方、繰り返されるメッセージ、電話での応答。
- 欲望の枠組みHow desire was framed
- 会話、友達募集、相談、恋人募集、秘密の交流。
- 課金構造Payment logic
- 通話料、情報料、時間課金。
- リスクRisks
- 年齢や性別の偽装
- 高額な通話料金
- 録音内容の悪用
- 個人情報の聞き出し
- 未成年者の利用
- 消滅理由Why it disappeared
- 携帯電話とインターネットの普及
- メールやチャットへの移行
- 高額課金への批判
- 規制と社会的警戒
- 音声のみの非効率性
- 前身What came before
- 留守番電話
- ラジオ投稿
- 電話相談
- 文通
- 後継What came after
- ボイスチャット
- 音声SNS
- ボイスメッセージ
- ポッドキャスト
- 音声プロフィール
- 今日に残るものWhat remains today
- 音声投稿
- ボイスメモ
- 音声ルーム
- 音声による本人らしさの演出
Related observations / 関連観測
写真もテキストもなく、利用者は話し方、沈黙、息遣い、声の高さから相手を想像した。
現在のプロフィールが身体を写真へ圧縮したとすれば、伝言ダイヤルは身体を声へ圧縮した装置だった。