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Intimacy Observatory親密性の観測所
出会いの古典と現在に戻る

Immediate and Casual

即時・カジュアル型

When proximity and speed replaced relationship vocabulary.

出会いは、近さと速度へ還元された。

大衆型マッチングが関係の可能性を売るのに対し、即時・カジュアル型は近接性と速度を売る。

プロフィールを読む時間から、スワイプの数秒へ。
居住地・価値観から、位置情報と距離へ。
恋活・婚活から、今日会えるへ。

Tinder、Dine、バチェラーデート、東カレデート—— これらは出会いを、社会的に説明しにくい欲望のまま、または食事・空き時間という形式へ載せて対面へ導く。

ここで販売されているのは、関係の可能性ではなく、近くにいる相手との接触の即時性である。

出会いは、
近さと、今すぐへ還元された。

Four immediate services

四つの即時・カジュアル型サービス

Active / 稼働中

Tinder

Tinder

2012年から現在

Matching
双方のスワイプによる相互マッチが必要。
Desire framed as
出会い、カジュアル、近さ、今すぐ。

Tinderは、出会いを「近くにいるかどうか」という地理的条件へ還元した。

Read record
Active / 稼働中

Dine

Dine

2010年代から現在

Matching
相互マッチが対面提案の前提。
Desire framed as
食事、会話、今日会う、カジュアルな出会い。

Dineは、出会いの中心をメッセージから食事の場所へ移した。

Read record
Active / 稼働中

Bachelore Date

バチェラーデート

2010年代から現在

Matching
相互マッチがデート提案の前提。
Desire framed as
デート、食事、カジュアルな出会い、異性との一対一。

バチェラーデートは、出会いを「デート」という既存の形式に載せ替えた。

Read record
Active / 稼働中

Tokyo Calendar Date

東カレデート

2010年代から現在

Matching
相互マッチがデート提案の前提。
Desire framed as
今日会う、今週会う、カジュアル、東京での出会い。

東カレデートは、出会いをカレンダーの空き時間へ還元した。

Read record

From profile card to swipe

大衆型から、即時型へ

大衆型マッチングがプロフィールカードと相互マッチで関係市場を作ったのに対し、即時・カジュアル型はスワイプと位置情報で近接市場を作った。

  1. 掲示板型出会い
  2. プロフィールカード
  3. スワイプ型マッチング
  4. 位置情報型
  5. 即日デート型
地域検索
位置情報
プロフィール閲覧
スワイプ
メッセージのやり取り
今日会う提案
関係の可能性
近さと速度
恋活・婚活
カジュアル
月額アクセス
ブーストと優先表示

Swipe as interface

スワイプというインターフェース

  1. 01速度

    大衆型マッチングがプロフィールを読む時間を与えるのに対し、スワイプ型は判断を数秒へ圧縮する。

    候補は次々と表示され、利用者は拒否か承認かを即座に選ぶ。

  2. 02写真

    文章より先に、身体が写真として提示される。

    スワイプの判断は、属性の比較よりも視覚的印象に依存する。

  3. 03近接性

    位置情報によって、相手との距離が常に表示される。

    出会いは、価値観の一致よりも、近くにいるかどうかへ還元され得る。

  4. 04接触前の拒否

    老舗出会い系が接触後に判断するのに対し、スワイプ型は接触前に拒否できる。

    拒否は安全になったが、偶然は起きにくくなった。

Proximity economy

近接性の経済——対面までの行動フロー

  1. 01位置情報を許可する
  2. 02近くの候補が表示される
  3. 03写真を見てスワイプする
  4. 04相互マッチを待つ
  5. 05メッセージを送る
  6. 06今日会うか提案する
  7. 07場所と時間を決める
  8. 08対面する

関係は購入できない。
購入できるのは、近くにいる相手を可視化し、判断を加速する体験である。

Casual framing

欲望は、どの枠組みへ載せられるのか

  • 近さ

    物理的距離を出会いの第一条件にする

  • 今すぐ

    対面までの時間を最短にする

  • カジュアル

    恋活・婚活として説明しなくてよい接触

  • 食事

    デートを食事という形式に載せる

  • 一対一

    グループではなく個人間の対面

  • 空き時間

    カレンダーの隙間を出会いの入口にする

Immediate vs mass-market

即時・カジュアル型と大衆型

即時・カジュアル型

Immediate and casual

  • 近さと速度が先
  • 写真とスワイプで判断
  • 位置情報が中心
  • 今日会える設計
  • カジュアルな目的
  • メッセージより対面
  • 社会的説明が弱い
  • 接触前の拒否が多い
  • 関係より瞬間
  • 近接性と現在性を売る

大衆型マッチング

Mass-market matching

  • 価値観と相性が先
  • プロフィールを読んで判断
  • 居住地・属性が中心
  • 関係を見据えた設計
  • 恋活・婚活として説明
  • メッセージで関係構築
  • 社会的に説明しやすい
  • 相互マッチ後に接触
  • 関係の可能性
  • 候補プールへの参加を売る

Closing observation

説明しにくい出会いへ

即時・カジュアル型は、出会いを社会に説明しにくいまま、または食事・空き時間という形式へ載せた。

近さ、今すぐ、カジュアル——利用者は恋活・婚活という言葉へ翻訳しなくても、候補プールに入れる。

大衆型が関係の市場だったのに対し、即時型は近接の市場である。

しかし、対面は起きるとは限らない。マッチは成立する。距離は表示される。それでも、孤独は消えないことがある。

近さは可視化された。
関係は、必ずしも近づかなかった。